Vol.359 2022.7.12

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Column

そろそろイタリアへ その3

そうこうしているうちに最初の旅がはじまった。真っ只中である。

まだ日本のコロナ鎖国が完全に解消されていない、「行きはヨイヨイ、帰りは怖い」(PCR検査の結果如何では渡航不可)状況下にありながら、勇気を振り絞ってというか、傍若無人なのか、とにかく円安やウクライナ問題あり、便数や航路も制限、変更されている中、航空運賃もままならぬこのタイミングでイタリアにやってきた日本の女性二人組がお客様というわけである。とは言いながら学生時代からの親友でもあり、ミラノに居を構えるわたしがいたことを心強く思うことでジワジワと浮き上がってきた、脱コロナを意識しての冒険心なのかもしれない。中々マスクの外せぬ日本社会から忽然と飛び出してきたことを思えばそれはそれでアッパレということになる。

二人がこのタイミングを選んだ理由として、わたしが常々語っている、海外からの旅行者の減少により美しさをとり戻してきた旬なイタリアを、そしてこの国のもっとも活気ある季節を楽しむべし、ということに刺激を受けてのことがある。とにかく素直に反応する二人なのだ。

ミラノのマルペンサ空港に21時間というフライトの末に辿り着いた彼らは、当然ながら疲れと時差の狭間にいたわけであるが、しかしその夜、スカラ座での公演、「リゴレット」に向き合わなければならない過酷な旅のスタートが待っていたのである。残された上演日と組まれた旅程を見合わせたら他に可能性がないのだから致し方ない。およそ30年ぶりとなる劇場の新演出に戸惑う聴衆に紛れて、少しコックリあり、しかしジルダを演じた素晴らしいソプラノに魅了されながら一日目を無事に終えたのである。

そして、翌日は早朝からヴェネツィアへの移動が待っている。

日本からやってくる人たちにとって時間は何よりも貴重であり、その限りある日程をどのように自由に、また有意義に泳ぐかが、道先案内人としてのわたしに寄せられていることであるように思う。

フィレンツェくらいまでの移動であればほぼ自分の車を使った、いわば走りたい時に走り、休みたい時には休めばよい利便性が重要となり、あとは運転手自身の体力の問題となる。高速道路を130キロ平均で走らなければならないイタリアでの運転は、ちょっとした疲れが命とりとなることもあり、特に客人を乗せての運転となるとそこを慎重に考えなければならない。

今回のヴェネツィアは高速鉄道を選んだ。理由は前日のオペラが深夜まであったこと、ヴェネツィアへの移動の後、いま一度ミラノへ戻らなければならない急務があり、その日のうちにまたフィレンツェまで動くことを考えたら電車での移動が相応しいと考えたからである。

堂満尚樹(音楽ライター)
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